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セミリタイアあるいはFIREを目指すアラフィフ独身女のひとりごと

バタフライエフェクト The Butterfly Effect

 

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~あらすじ~
冒頭。主人公がなにかから逃げている。
「これが失敗したら死ぬが、うまく最初に戻れたら彼女を救うことができる」。
 
7歳。主人公のエヴァンは母親と二人暮らし。父親は精神異常者で病院に隔離されている。
 
母親は父親の病気がエヴァンへ遺伝しているのではないか心配している。なぜならエヴァンの記憶が時々なくなるからだ。医者にエヴァンに日記をつけるよう勧められる。
 
ある日、母親の仕事中に近所の兄妹トニーとケイリーの家に預けられることになったエヴァン。トニーとケイリーの父親はとんでもない奴だった。
 
自分の娘のケイリーとエヴァンを「ビデオ映画を撮る」と地下室へ誘い込み児童ポルノを演じさせた。兄のトニーは近づかないように言われていたが、のぞき見ながら人形の首をひねるような異常な行動を示している。
 
このことはエヴァンの記憶から消えている。
 
6年後13歳。エヴァンはトニーとケイリー兄妹と太っちょのレイニーの4人で少年時代を過ごしている。ある日、トニーの家の納屋を兼ねている地下室で4人でたばこを吸ったりして遊んでいたところ、トニーがダイナマイトを発見する。いたずらをしようということになり、火をつけたダイナマイトをとある家のポストへ。ちょうど乳児を抱いた若い母親がポストを開け…。そこでエヴァンの記憶がまた途切れる。
 
どうやら母親と乳児は死亡したようだ。ショックで太っちょのレイニーは引きこもりになってしまう。父親による虐待のためケイリーには生傷が絶えず、トニーはサディズムの気性が見られる。爆破の犯人であることはばれていないようだが、エヴァンの母親は引っ越すことを決める。
 
さらに数年後。エヴァンは州立大学で心理学を専攻する優等生となっていた。ルームメイトはパンクな太っちょ。ちょっとレイニーに似ている。ある日部屋に連れ込んだ彼女が見つけた日記を彼女に読みあげていたところ、視界が揺れ意識が過去に戻る。ちょうど記憶をなくしているところだ。
 
その後何度か「日記を読む」→ 「昔記憶をなくした時に戻る」を繰り返す。そのうち干渉することができるようになり、そうすると意識が戻った現在の状況が変わることが分かった。そう、あの記憶がない時間は未来の自分がトリップしてきていたのだ。
 
現在、太っちょのレイニーは相変わらず抜け殻のようになっている。サディストのトニーは刑務所に入っているらしい。ケイリーは田舎で地味なウェイトレスとして働いている。
 
過去を変えれば…。エヴァンは過去に干渉する。するとはたして現在は変わっている!ケイリーはなんと自分の彼女として大学に通っているし、自分も地味な学生ではなくチャラチャラした学生で優等生ではない。虐待はケイリーではなくトニーが受けたようだ。
 
じゃあまた干渉だ。
 
ある時は、ケイリーは娼婦となっているし、ある時はレイニーがルームメイト。これが最善かも、と思った干渉では、なんと太っちょのレイニーとケイリーが恋人同士。トニーは宗教活動に熱心な優等生。そして自分はダイナマイトの爆発で両腕を失くした障碍者
 
この時の干渉では、ダイナマイトによるいたずらの時点へ戻り、爆破を阻止&親子を救うために(…というのもあれだが)、エヴァンはダイナマイトへ向かい、トニーは親子を押し倒し伏せさせるということをしたのだ。結果エヴァンは両腕を失い車椅子の生活。トニーはヒーローとなりそして信心深い優等生となる。
 
自分はかなりつらい毎日だが、それでもこれがベストかもしれない、と自殺を図るエヴァンだが、母親が両腕を失くした息子のためにヘビースモーカーとなりそして肺がんで死の床についているのを知る。
 
…これじゃだめだ。また干渉。
 
そうして、冒頭のシーン。エヴァンは精神異常者として入院させられているという現在。
 
この状況から逃れるためにはまた干渉しなくては。だがなんと日記がない!医者や母親に隠されているのか?
 
部屋を抜け出し追っ手から逃れながら母親が持ってきた子供のころの映像を見てみる。まだ日記をつける前の初めてケイリーに出会った時のシーンだ。
 
ここでケイリーと仲良くなるはずだった過去を、関わり合いのない過去となるよう干渉した。
 
そして現在に。
 
大学のルームメイトは太っちょのレイニーだ。そしてケイリーはいない。そのままさらに数年。エヴァンは臨床心理学を生かしてカウンセラーか何かとして働いているようだ。母親に電話をしている。NYの町ですれ違ったのは…キャリアウーマン風のケイリー…。
 
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もしかして、ぜーんぶエヴァンの精神異常が見せる妄想なのではないかと思ったが、そうではないらしい。エヴァンにとってもっとも大切なのはケイリーと一緒になることではなくて、ケイリーが幸せなこと。母親が幸せなこと。友達がいること。
 
ちょっと切ないがさわやかなあと味だった。ハッピーエンドなのかな。