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セミリタイアあるいはFIREを目指すアラフィフ独身女のひとりごと

運命を分けたザイル(Touching the Void)

 

運命を分けたザイル [DVD]

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「死んだと思われ見捨てられ、自力で這って下山」実話を映画化。

 

舞台は南米アンデスのシオラグランデという氷山。登山というよりもクライミングのようで、エベレストのようにシェルパ連れてキャンプを拠点に頂上アタックというのではなく二人だけでただ登ってゆくというスタイルのものらしい。

 

ドキュメンタリー形式で登場人物はほぼ二人。ジョーとサイモン。この二人がザイルで繋がれた状態で頂上までゆき、帰りにジョーが足を骨折してしまう。

 

かなり序盤から「遭難モード」。自力であまり動けないジョーをザイルで下に滑り落とす→ 穴を掘って待っててもらう→ サイモンが降りる。というのを繰り返しているうちに岩だか氷の張り出しに差し掛かってジョーが宙吊りになってしまう。

 

ザイルの長さは45m とかあるので上にいるサイモンにはいつまでたっても足場を確保してザイルを緩めないジョーの状況が分からない。

 

1時間以上がんばって、サイモンはザイルを切る。深いクレバスへ落ちてゆくジョー。

 

自分も遭難状態のサイモンはそのまま下山する。下山して登山のスタート地点のテントにテント番の人と一緒にしばらくいる。

 

ク レバスに落ちた足骨折のジョーは、生きていてなんと数十メートルもあるクレバスの内側を自力で登ってしまった。すごく苦労して登ってもサイモンは下山した 後だし、そこからキャンプまでは吹雪の斜面を降りたりクレバスだらけの氷河を通らなくてはならない。これをほぼ這って進むこの外人(イギリス人だっけか な)はすごいわ。

 

こないだのエベレストの遭難でも目をやられてあまり見えない状態で凍死しかけて置いていかれたおっちゃんが息を吹きかえして勘を頼りに自力でキャンプまで下りてきた、というのに近い。こういう生命力って普段は本人にも分からなくて切羽詰まった状況で発揮されるんだろう。

 

で、おいてけぼり遭難者のジョーが岩だらけのキャンプに戻ってきたときにまだサイモンはそこにいて感動の再会、という話。置き去りにしたからといってこれは責められない。

 

これ、映画なのだけれどドキュメンタリー風でインタビューは本人たちなのだ。再現画像は俳優さんだけれど良く似ているし、雪山がリアル。これ撮影がすごく大変だったんじゃないだろうか。

 

映像自体は映画館で観たエベレスト3Dの方がインパクトが強いが、この映画もストーリーがないところがリアルな感じがしてとてもよいと思った。何度も観たいかというとそうでもないが、遭難モノが観たくなったらまた観ることになると思う。